ダイヤモンドにまつわる語源・表記・紛争

「征服されざる存在」としてのダイヤモンド

「ダイヤモンド」と聞くと「高価・崇高・美しい・輝き・」という言葉を連想する人が多いことでしょう。
実際にダイヤモンドは、物事の最上位にあたる事象に形容されることも少なくありません。
また、その希少性によって「なかなか手に入らないもの」、まばゆい輝きによって「まれに見る美しさ」を比喩するときによく用いられるのが「ダイヤモンド」です。

”DIAMONDO”の語源はギリシャ語で「征服されざるもの」を意味する”ADAMAS”に由来しており、古代から人々はダイアモンドに対して他の鉱物とは異なる別格の扱いをしていたことが分かります。

ダイヤモンドが最初に発見されたのはインドの河川とされており、その後ヨーロッパ社会に持ち込まれたというのが定説となっています。
ただし、高価な宝石として重用されるようになったのは13世紀以降の西洋社会においてであり、それは原石を加工する技術が確立され、宝石・装飾物として流通するようになったからでした。

それまでは、最も硬い鉱物であるダイヤモンドは工業用素材として使用されていたのです。
すなわち、ギリシャ語の”ADAMAS”「征服されざるもの」は、その硬さゆえに鉱物の頂点としての意味を表現していたのです。

「ダイヤモンド」というカタカナ表記

ところで、”DIAMONDO”というローマ字綴りをカタカナ表記すると、「ダイヤモンド」と書くのが一般的です。
しかし、戦前までは「ダイアモンド」という表記もよくみられました。
欧米女性の名前である”DIANA”は「ダイアナ」と書くのが一般的なので、”DIAMONDO”を「ダイアモンド」と表記してもよいような気がします。
それでは、なぜ「ダイアモンド」でなく「ダイヤモンド」というカタカナ表記が一般的になったのでしょうか?

これは、ダイヤモンドの原石がひし形をしていることで、ひし形の図形が「ダイヤ型」と呼称されるようになったことが関係しているようです。

3文字の場合「ダイア」よりも「ダイヤ」の方が発音しやすいことからひし形図形は「ダイヤ」が一般的呼称となり、これに併せて「ダイヤモンド」という表記が普及したというわけです。
鉄道の「ダイヤグラム」や自動車の「タイヤ」という表記も同じ理由ですね。

「紛争ダイヤモンド」の世界的な問題

ダイヤモンドの産地はかなり偏っています。
産出量第1位のロシアからボツワナ・コンゴ民主共和国・オーストラリア・南アフリカ共和国・カナダの順になっており、以上の6ヵ国だけで世界シェアの9割以上を占めているのです。
特にアフリカの発展途上国が多いことから、ダイヤモンドの発掘に関しては過去に血なまぐさい出来事が頻発しています。

特に東西冷戦構造が終結した1980年代からは、アフリカの産出国である「アンゴラ」「シエラレオネ」「リベリア」「コートジボアール」「コンゴ民主共和国」「コンゴ共和国」などのアフリカ諸国において、国際市場で高値取引される「ダイヤモンド利権」をめぐり、政府と反政府組織との苛烈な戦闘が繰り返されました。
これら各国の紛争の結果として流通するダイヤモンドは「紛争ダイヤモンド」と呼ばれ深刻な世界的問題となったのです。

「紛争ダイヤモンド問題」の解決のため、2000年7月に開催された「世界ダイヤモンド会議」によって、世界ダイヤモンド取引所連盟から紛争ダイヤモンド取引を締め出すことが決定され、2002年11月には、業界に流通する全てのダイヤモンドに、それが紛争ダイヤモンドでないことを証明するキンバリー・プロセスが採択され、2002年3月には国連で承認されました。

希少価値があり高価で取引されるものが争いの対象となることは歴史の常ではありますが、まさに「地球の宝」ともいえるダイヤモンドが血で塗られることがない世界にしたいものです。

https://kikinzoku.kaitoru.jp/diamond/

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