資産としてのダイヤモンド

ダイヤモンドは実物資産としても価値がある

ダイヤモンドは宝飾品としてよく知られていますが、その資産としての価値も注目されるようになってきました。金やプラチナなどのように、ダイヤモンドを実物資産や投資対象として保有する人が世界中で増加しているのです。

実物資産としてのダイヤモンドが注目を集めてきたのは、ダイヤモンドの価格が比較的安定しているからです。価格が国際基準により決められるため、「第3の通貨」とも呼ばれるほどです。

平時では、ダイヤモンドは金やプラチナと同様にインフレに強い実物資産として買われます。リーマンショックや南欧諸国の債務危機、最近では米中間の貿易摩擦のように株式や債権の価格が大きく下落するときには、金融資産からの逃避先として買われます。さらに、紛争が起こりかねないような状況では、「有事の金」として知られるように、ダイヤモンドのような実物資産への逃避が起こります。

ちなみに、ダイヤモンドは金と比べて持ち運びしやすい財産です。何百万や何千万円分の金では重さが数kgから数十kgにもなりますが、ダイヤモンドではたった一粒か数粒ですむからです。広い保管場所は必要ありませんし、常に身につけておくこともできます。また、紛争の当事国になってしまった場合や、火事や地震などがあった際にもすみやかに持ち出せます。

ダイヤモンド相場について

1960年から2010年代半ばまで、ダイヤモンドの相場は上昇を続けてきました。その上昇率を年平均すると、約14%以上にもなっています。

「ダイヤモンドは永遠に」のキャッチコピーの効果もあり、高度経済成長時代頃からの日本では、婚約や結婚の際に贈るダイヤモンドの指輪が飛ぶように売れました。バブル景気の時代には、日本は世界第2位のダイヤモンド輸入国になったほどです。

近年では中国やインドなどのアジアの新興国がめざましい経済発展を遂げており、かつての日本のように、これらの国々でもダイヤモンドの需要が急速に増加しました。

このような実需の高まりによるダイヤモンド相場の上昇は、投資対象としてのダイヤモンドの需要を喚起するきっかけにもなりました。不動産は近隣環境の変化で価格が乱高下しますが、ダイヤモンド相場はデビアス社が一定のコントロール下に置いているといわれており、株式や債券や不動産などに比べ、相場が比較的堅調なところが富裕層の間で人気となっています。

上昇し続けてきたダイヤモンド相場は、数年ほど前からやや調整局面を迎えています。新興国の経済発展が一段落して実需の伸びが鈍化してきたこと、高値圏でいったん利益確定しておくための売りが先行となっていることなどが原因と推測されます。

ダイヤモンドの価格とは

採掘されたダイヤモンド原石の状態から、カットや研磨などの処理がなされて宝石の状態になった段階のダイヤモンドを、「ルース(裸石)」と呼びます。ルースはその後指輪やネックレスなどの一部として加工・使用されでジュエリーになります。

ダイヤモンドルースは、世界共通の品質評価基準に従って鑑定されます。ダイヤモンドは金やプラチナのように重量ではなく、品質によって評価されるのです。この基準は英単語の頭文字をとって、4Cとしてよく知られています。
・カラット(carat):ダイヤモンドの重さ、1ctは0.2g
・カラー(color):無色が最高で黄味がかるほど低い、DからZまでの23段階
・クラリティ(clarity):透明度の高さ(傷や内包物の無さ)、FLからIまでの11段階
・カット(cut):研磨による形と仕上げについて、EXからPまでの5段階

鑑定結果は鑑定書(グレーディングレポート)に記載されます。特に以下の鑑定機関が発行した鑑定書には権威があるとされます。
・GIA(米国宝石学会):国際基準4Cを定めたアメリカの鑑定機関
・AGT(AGTジェムラボラトリー):日本においてGIAを代行する機関
・CGL(中央宝石研究所):国内で最大のダイヤモンド鑑定機関

そのときどきのダイヤモンドルースの価値は、デビアス社が発行しているラパポート・ダイヤモンド・レポートに掲載され、世界中のダイヤモンドの取引での指標となります。なお、ダイヤモンドルースの最終的な消費者への販売価格は、流通業者や販売者の中間マージンやブランド価値などが加算されたものになります。

資産として考えるならジュエリーよりルース

ここで重要なのが、「資産としてのダイヤモンドの価値は、基本的にルースの段階で決まっている」ということです。

ジュエリーの価値は、ダイヤモンド部分の価値に、台座の金属やデザインやブランドなどの価値が上乗せされたものになります。ジュエリーとしての価格はダイヤモンドの価値とは異なりますし、ジュエリーに加工されてもダイヤモンド自体の価値が変わるわけではありません。

ところで、ご存知のようにダイヤモンドは天然では最も硬い鉱物です。通常の使用や保管であれば、傷がついたり、変色や腐食をしたりということはまずありません。よほどのことがないかぎり、経年劣化によって価値が減少することはないのです。

しかしジュエリーでは、デザインがいつのまにか流行から外れて古くなってしまっていたり、ジュエリーのブランド価値が変動するということがありえます。しかも、いったんジュエリーとして加工されてしまうと、ダイヤモンド部分だけを取り外すことが困難なことが多く、ジュエリーとしてしか取引できなくなることが多いです。

よって、もし宝飾品としてでなく資産としてダイヤモンドを保有するのであれば、ジュエリーではなくルースをおすすめします。そのほうが換金性が高いからです。

もしジュエリーを資産として考えるなら

ダイヤモンドを中心にしたようなデザインのジュエリーであれば、資産としての評価が高めになる傾向にあります。 いっぽう、ジュエリーのデザインを引き立てるためにダイヤモンドが使用されているようなものでは、資産としての評価が低めになる傾向にあります。

また、いったんジュエリーとして加工されたものなら、ダイヤモンドを外さずにジュエリーとして買取査定などに出したほうがよいでしょう。そのほうが無理にルースのかたちにして査定に出すよりも高額な査定をしてもらえます。

ただし、ジュエリーに関してはデザイン等にトレンドがあるため、資産価値を保つ為には、いったん手元のジュエリーを売却し、新しいものを再購入する、という考え方もあります。

おすすめのルースダイヤモンドの条件

これまで述べてきたように、資産としては品質の高いダイヤモンドルース(裸石)を保有することが大切です。4C基準で高いグレードのダイヤモンドほど、資産価値が高くなります。

具体的には、4Cのうち、カラット(重量=大きさ)が重要です。資産としてダイヤモンドを持つのであれば、0.5~3カラット、一般的には1カラット以上のものがよいでしょう。逆に0.3カラット以下のものにはあまり資産価値は期待できません。

1カラットは0.2gで、大きさの目安は直径6.52mmと深さ3.94mmほどです。この1カラット以上のダイヤモンドでもそこそこの稀少性があります。

そのほかの3Cについては、カラーは無色(DEF)かほとんど無色(GHIJ)、クラリティは拡大しても発見が困難なグレード(VS)以上、カットは最高位(EX)のものが、良質なダイヤモンドであるとみなされています。クラリティ最高のFL(無傷)はかなり稀少性が高く、資産価値が高くなります。

注意点としては、その時のトレンドのカットのものを避けることがあります。ルースであっても、カットに関しては全くトレンドと無縁というわけではないのです。また、ファンシーカラーのものもできるだけ避けたほうが無難です。

ダイヤモンドを保有しているときに留意したいこと

天然鉱物で最も硬く、永久不変に見えるダイヤモンドですが、保有しているときに気をつけておきたいことがあります。

まずは保管に関する注意点です。ダイヤモンドは硬いのですが、意外ともろさもあります。ライターやガスコンロの炎でも燃えて炭化してしまいますし、急激な力を加えると傷がついたり割れたりしてしまうのです。燃えてしまうのは論外ですが、傷がつくだけでも資産価値はかなりの減額になるおそれがあります。

たまに手にとって眺めたりしたいところですが、ダイヤモンドは親油性があるため、表面に手の脂が付着しやすいです。汚れて曇ってしまうと、ダイヤモンドの輝きが失われてしまいます。しかし、ぬるま湯に中性洗剤を入れて手入れすれば、この脂汚れは落とせます。汚れに関しては資産価値の下落にはつながりにくいといえます。

また、直射日光を避けて保管し、鑑定書をなくさないようにしましょう。

次に、ダイヤモンドの価格に関する注意点があります。ジュエリーであってもルースであっても、ダイヤモンドはトレンドの影響で価格が次第に低下していく傾向があります。そのため、将来にわたって資産価値を保つためには、保管に注意するだけでなく、トレンドにも敏感になる必要があります。

古いダイヤモンドがあれば、相場が高値圏にある今のタイミングでいったん買取に出し、新しいダイヤモンドを再購入してもよいでしょう。そうすることで、ダイヤモンドの資産価値をリセットすることができます。

まとめ

資産としてのダイヤモンドについて見てきました。以下がこの記事のまとめになります。

・宝飾品としてだけでなく、実物資産としてもダイヤモンドの需要が伸びてきた
・ダイヤモンドルースの品質は4Cによって決定される
・資産として保有するならジュエリーよりもルースがよい
・1カラット以上など、高品質のルースほど資産価値が高い
・ダイヤモンドにはトレンドがあるため、売却・再購入したほうが賢明である

金やプラチナと同様、実物資産としてのダイヤモンドの需要は、これからも続いていくとみられます。この記事がより良いダイヤモンド資産運用のお役に立てたなら幸いです。

https://kikinzoku.kaitoru.jp/diamond/

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