資産運用におすすめの実物資産は?

現物資産

実物資産と金融資産について

資産運用における投資対象にはさまざまなものがあります。しかし、それらの投資対象は、金融資産と実物資産の大きく2つに分けられます。まずは金融資産と実物資産がどんなものなのかについて説明します。

金融資産は有価証券や預金など

預貯金のほか、株式や債券などの有価証券、外貨預金やFX(外国為替証拠金取引)などが代表的な「金融資産」です。

金融資産は、例えば1万円札が物理的には紙の印刷物にすぎないように、その物自体にはほとんど価値はありません。預貯金や株券などは、システム上に登録されたデータとして存在しています。

これらの金融資産の資産としての価値は、具体的に存在する物としてではなく、ある特定の組織や機関によって保証されています。円やドルといった通貨では管理している政府機関が、株式や債券では発行した企業が、それぞれその価値を担保しています。

金融資産は主に書類の上で存在する資産という意味で、「ペーパー資産」と呼ばれることもあります。また、数年前からにわかに話題になっている仮想通貨は、「暗号資産」と呼ばれています。

実物資産はダイヤモンドや金や不動産など

「実物資産」は、物としての実体があり、さらにその物自体に価値がある資産です。物自体に一定の価値があり、株式や債券のように発行主体側の事情で価値がなくなってしまうことはありません。

代表的な実物資産としては、ダイヤモンドなどの宝石、金やプラチナなどの貴金属、不動産、美術品、アンティーク物品、などが挙げられます。金融資産に比べてバラエティに富んでおり、後述するようにそれぞれに特徴があります。

実物資産は「現物資産」と呼ばれることもあります。世界の政治や経済に不安定要因の多い現代では、国内外の富裕層を中心に、実物資産での資産運用が注目を集めています。

この記事では実物資産での資産運用についてご紹介していきます。

 

現物資産

代表的な実物資産について

いくつかの代表的な実物資産について、それぞれの特徴などを順に確認していきましょう。

多くの人が実物資産としてまず思いつくのは金(ゴールド)です。金の実物資産の形としては、金地金(インゴット)、地金型金貨といった種類があります。金融資産でも、純金積立や金の価格に連動する投資信託のような商品があります。いずれも、比較的少額からでも運用が可能です。

「有事の金」と言われるとおり、世界経済の先行きへの見通しが悪くなったり、紛争が起こる可能性が高まったり、通貨への信頼性が薄れたりすると、金を購入する人が増える傾向があります。端的に言えば「株が下がると金が上がる」という逆相関がみられます。

実際にリーマンショックやギリシャ危機などの際には、金の価格は高騰しました。また、著しい経済発展を果たした中国やインドなど新興国での宝飾品用の素材としての実需の高まりを受けた影響もあり、昨今の金相場は堅調な傾向が続いています。

プラチナ

プラチナは貴金属としては金に次ぐ実物投資の対象です。プラチナは金と同様に宝飾品としても利用されますが、自動車の排気ガスの触媒や医療機のペースメーカーなど、産業用途での需要も大きくなっています。

そのような事情から、プラチナ価格は自動車販売台数などの景気の動向の影響を受けやすく、金に比べると価格変動の幅が大きくなっています。また、プラチナは金よりも安値になっていることが一般的です。

ダイヤモンド

ダイヤ相場上昇

宝石も実物資産です。ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドは、「四大宝石」と呼ばれています。このうち、日本やアメリカを中心に世界中で広く取引されているのがダイヤモンドです。

ダイヤモンドを語る上で避けては通れないのがデビアス社です。採掘から加工・販売まで、ダイヤモンド流通の全てを手掛けており、かつてはダイヤモンド市場シェアの90%をおさえていた時期もあったほどの業界の巨人です。

ロシア産のダイヤモンドが増えたことなどもあり、現在のデビアス社の市場シェアは40%ほどにまで低下しました。しかし、ダイヤモンド市場での同社の価格コントロール力は依然として大きく、ダイヤモンドの価格は比較的安定しています。

金と同じく、新興国での宝飾品需要の高まりなどを受け、90年代以降一貫して堅調な価格推移となっています。

不動産

他の実物資産と比べるととても大きい(広い)ため、物としては認識しにくいのですが、土地や建物などの不動産も実物資産の一種です。金融資産としてもREIT(不動産投資信託)があります。

不動産が他の実物資産と異なる点として、単に保有している状態が継続するだけでないことがあります。すなわち、家賃収入などの収益が発生したり、逆に固定資産税という税金がかかったりします。

他の実物資産では基本的に売買によるキャピタルゲインのみであるのに対し、不動産では活用や運用によるインカムゲインも期待できるのです。

ただし、他の実物資産と比べて大きなお金が必要になります。空き室のまま収益が得られない可能性がある一方、税金は確実にかかります。不動産は投資上級者向けのハイリスクハイリターンの実物資産といえるでしょう。

美術品・骨董品

美術品や骨董品も、実物資産に含まれます。数年前から、美術品の購入費用を経費として減価償却できるようになりました。このため、企業による節税目的での美術品への投資が期待されています。

ただ、これらの美術品や骨董品の価格には明確で客観的な統一的基準がないため、価格はやや不安定です。思いがけない高値で売れることもあれば、信じられないような安値になってしまうこともあるでしょう。

古くて価値のあるもの

いわゆるアンティークもの全般です。アンティークコイン、クラシックカー、アンティーク家具、ビンテージものの古着などが挙げられます。最近では年代物のウィスキーやワインなどの買取店も増え、盛んに取引されるようになりました。

これらの実物資産は取引にカタログが使用されることが多く、価格は比較的安定しているといえます。さらに未開封や未使用、汚れや傷が少なくコンディションが良い、付属品が揃っている、などの場合は高値になる傾向があります。ただ古いだけの物には、あまり価値がありません。

コレクターアイテムやグッズ

ネットオークションやフリマアプリなどの流通手段が登場したことで、従来は実物資産として考えられなかったさまざまな物が活発に取引されるようになりました。入手しにくい限定グッズや非売品などのレア品では、驚くほどの高値で取引されていることがあります。

しかし、価値のわかるマニアの人向けのアイテムですので、やや市場が狭めです。また、ご自身の趣味で収集したグッズの場合、思い入れが生じて手放すのが惜しくなるところがあるでしょう。

h2 実物資産での資産運用のメリットとデメリット
実物資産にはさまざまなものがあることがわかりました。次に、実物資産で資産運用をするメリットとデメリットについておさえておきましょう。

メリット

メリットは3つあります。これは実物資産が物として価値があるということに起因します。

1つめは、実物資産はインフレに強い、ということです。たとえばある通貨の価値が、インフレなどの原因によって半分になったとします。すると、その通貨で保有する金融資産の価値は、基本的に通貨の下落に正比例して半分になってしまいます。

しかし、実物資産の価値は半分にならず、そのままです。実物資産は物としての価値であるためです。また、この場合、その実物資産の価格は通貨の価値に反比例して2倍になります。実物資産の本来的な価値はそのまま変わらず、目減りすることがないのです。

2つめは、資産価値がゼロになりにくいことです。たとえば株式の場合では、株券を発行した会社が倒産してしまうと価値はなくなってしまいます。

現在の日本ではあまり心配する必要はありませんが、国や時代によっては経済が破綻してハイパーインフレーションが起こってしまうことがあります。国の信用の裏付けがなくなった場合、札束はあっというまに紙屑です。

実物資産には物理的な実体があり、それを保有することで価値を担保できます。金はどこでも金ですし、ダイヤモンドはいつまでもダイヤモンドなのです。平時には意識しにくいですが、有事の際には実物資産のこの強みが発揮されます。

3つめは、金融資産に比べると価格が比較的安定していることです。株式や通貨などは、何かのきっかけがあると短期間に大きく変動する場合がしばしばがあります。これに対して実物資産は、景気の影響などを受けにくく、変動は緩やかです。

デメリット

一方、デメリットも3つあります。こちらも実物資産ならではのデメリットです。

1つめは、流動性が低いことです。株式や債券、通貨などであれば、全国や全世界で共通の市場があり、買い手も売り手も多く参加しているために売買がしやすくなっています。

しかし実物資産の場合、ある特定のローカル市場に限られることがほとんどで、参加者もあまり多くありません。また、取引の際にその物自体の移動(輸送、配送)の手間がかかります。

買い手としては、物によっては購入したいものがなかなか見つからないこともあります。売り手としては、買い手がつかずに長期間売買が成立しないことも珍しくありません。

2つめは、保有しているだけでは収益を生み出さないものが多いことです。金融資産では、株式の配当金や預貯金の金利などを受け取ることができます。しかし、実物資産でこのようなインカムゲインを得られるのは不動産くらいしかありません。

3つめは、盗難や破壊の被害に遭ったり、火災や地震などによるダメージを受ける可能性があることです。システム上のデータになっているような金融資産であればこのような心配は無用なのですが、実物資産では実体があるがゆえにこのようなリスクを避けることができません。

資産運用におすすめの実物資産

以上を踏まえた上で、資産運用を目的とした実物資産としては、金とダイヤモンドをおすすめします。理由は3つあります。

1つめは、世界的に取引されていることです。実物資産の取引は一般的にローカルになりがちですが、金やダイヤモンドはほとんど国境を越えた通貨のような存在となっています。市場参加者が多いため、売買に時間がかかるおそれが少なくなります。

2つめは、価格基準が明確なことです。金はロンドン貴金属市場協会で指標価格が決められ、ダイヤモンドはデビアス社の発行するラパポートレポートが指標になります。世界共通のものさしがあることで、売買がしやすくなっています。

3つめは、手ごろな価格から大きな価格まで、投資金額の自由度が大きいことです。不動産などでは大きな元手が必要になり、リスクも大きくなりますが、金やダイヤモンドでは比較的少額からでも資産運用が可能です。

まとめ

実物資産での資産運用についてみてきました。以下がこの記事のまとめです。

・実物資産は物自体に価値がある
・代表的な実物資産には、金、ダイヤモンド、不動産、美術品などがある
・実物資産はインフレに強く、価格が比較的安定している
・おすすめは金とダイヤモンド

「安く買って高く売る」という資産運用の大原則は、実物資産でも同じです。金融資産だけでなく実物資産にも運用の対象を広げることで、投資の選択肢が多くなり、リターンを得るチャンスも多くなります。

この記事が皆様のご参考になれば幸いです。

https://kikinzoku.kaitoru.jp/diamond/

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